STORY02 変革編 イメージ STORY02 変革編

危機を前進に変えて

1990年代後半から2000年代にかけて、日本国内では「O-157」や「狂牛病(BSE)」といった食の安全を脅かす問題が多発。その風評被害は、牛肉100%のハンバーグを看板メニューに掲げていたさわやかにとって、深刻な打撃となりました。客足が著しく遠のき、店内は連日空席ばかり。もはや会社存続すら危ぶまれる状況に…。しかし、創業の精神である「安全・健康・元気の出るおいしさ」を守りたいという強い意志から、富田は立ち止まることなく動き続けました。食肉加工を委託していた業者に、より徹底した検査をお願いし、より安全なお肉を提供していただける所を探し回りました。しかし、これらの試みは容易なものではありませんでした。どこからも断られ続け、再びピンチに陥ってしまったのです。それでも、富田は諦めませんでした。これまで何度も困難はありましたが、お客様に支えられながら「やれば出来る!プラス発想」でどれも乗り越えてきたからです。万策尽きたかに思えた絶望的な状況下で富田はついに、ある革新的な施策に打って出ました。

――2004年7月、安全なお肉を提供するための自社工場を設立したのです。

安全・健康・元気の出るおいしさを 実現する

自然あふれる静岡県袋井市北部。緑に囲まれた広大な敷地に、さわやかの工場は設立されました。厳しく衛生管理された工場で、安全なお肉を「毎日製造・検査・店舗配送」。今日作ったハンバーグはその日のうちに「さわやか全店」へ届けられます。

ハンバーグの原料肉は、世界で最も安全と言われるオーストラリアの指定牧場で育てた牛のブロック肉を100%使用。現地の指定加工場にて丁寧に処理したものを、自社工場の専用殺菌機にて表面を高温に熱して完全殺菌しています。ハンバーグは一つひとつX線検査機で異物検査し、微生物を付着させないように個別包装。徹底管理された低温環境のもとで、製造・保管・流通まで行われています。

また、産地での牛の飼育から加工、製造、流通などの過程をトレーサビリティによって「見える化」し、安全性の履歴を確認できるようにしました。こうした徹底的な安全管理により、お客様が安心して食事を楽しめる環境を実現。この自社工場の設立によって、さわやかは風評被害という最大の危機を乗り越え、「安全・健康・元気の出るおいしさ」を守り抜いたのです。

さわやかの工場

静岡のご当地グルメとして、 全国的な人気に

数々のピンチをチャンスに変えて前に進み続けてきた「さわやか」に追い風が吹きます。静岡県出身の著名人が「子どものころから食べていた」とテレビで語ったことで、その名は一気に全国へと拡散。ハンバーグが目の前でジューシーに焼き上げられる動画や、明るく元気な接客が次々とSNSでシェアされて、「静岡といえばさわやか」「さわやかを食べに静岡に行きたい」と全国各地の方に言っていただけるようになりました。さらに、関東の玄関口として御殿場インター店を出店。これをきっかけに県外のお客様が多く足を運んでいただけるようになりました。東部地区への出店はその後も拡大し、長泉、沼津、函南へ地域を伸ばし、さわやかのハンバーグが静岡県のソウルフードとして全国で愛されるようになりました。

創業以来こだわり続けてきた「安全・健康・元気の出るおいしさ」に対する真摯な取り組みが、信頼という形で地域に根ざし、現在の全国的な人気として実を結んだのです。

「さわやか」
STORY03 未来編 イメージ STORY03 未来編 試練のなかで気づいたもの